分散した工場・倉庫を集約 オフィス什器メーカーの新たな物流拠点

岐阜市日野にてオフィス家具を中心とした数多くの製品を開発・製造している藤沢工業株式会社。市内に点在している倉庫を集約し、新たな物流拠点をお隣の関市にトップファクトリーと計画。藤沢工業様のニーズ「物流効率の向上、在庫管理の最適化、エネルギー効率を向上させる」を実現する新たな拠点「関市物流センター」が2023年12月に竣工しました。

藤沢工業株式会社

1964年、岐阜市日野で創業者藤沢時男が車両部品の溶接加工業として始めた藤沢工業。1970年には株式会社として設立。現在ではオフィス家具を中心とした数多くの製品を開発・製造。オフィス家具のブランド「TOKIO」と、イミテーショングリーンアイテムのブランド「Relair」を展開しています。著名なデザイナーとコラボレートしながら世界観を広げ、ブランド力の向上に力を注いでいます。日本国内のみならず、中国・台湾・ベトナムに広がる製造拠点を生かし、オフィス家具を切り口に各業界に向けた豊富なバリューチェーンを構築しています。

事例紹介

[建物概要]
用途:倉庫
構造:鉄骨造3階建て
延床面積:10,650.00㎡
竣工:2023年12月

───2023年 地鎮祭、そして着工。

2023年2月、地鎮祭を執り行いました。物流拠点として見つけた候補地はなんと山!「土地の用途変更」「開発申請」「造成工事」などクリアしなければならない項目がまさに“山”のようにありました。山を掘削して谷を埋め、土地をつくる所からのスタート。倉庫1棟、工場3棟、合わせて延床1.6万㎡弱の計画で、各拠点に分散した工場や倉庫などを1カ所に集約し、生産効率を高めることが目的です。地鎮祭を終えるまでに費やした期間はなんと2年以上。地鎮祭も終わりいよいよ着工。

 

 

───2023年夏 灼熱の工事現場

静岡、 埼玉に並ぶ酷暑地域・岐阜。今年は特に暑い日が続いているので、工事作業をしている職人さんには頭があがりません。2023年8月現在は躯体工事中。関わるすべての人が一丸となり素敵な建物を完成させたいです。年末の完成が待ち遠しいです!

 

 

 

───耐震設計技術 “アンボンドブレース”

特徴すべきは、建物を補強する部材のひとつであるブレース。今回使用しているアンボンドブレースは建物全体の剛性を高め、地震時の建物の変形を小さく抑える効果があり、大型の物流倉庫やショッピングセンター、オフィスビルなどで耐震性能を向上させる手段の一つとして利用されます。こんな時代だからこそ、安心安全で災害に強い建物を。

 

 

 

───2023年秋 工事も大詰め

必要部分以外は足場を解体し、建物の全貌が露わになってきました。プロジェクトをスタートしたのが3年前、先月に現場定例会議最終回を行いました。当社の倉庫建設プロジェクトは、クライアントのビジネス成功を支え、効率的な物流と資産管理を実現するため完成まで伴走するスタイルを取っております。来月は竣工式を控えており、楽しみにしております。

 

 

───2024年12月 完成

足場も外れ、内容工事もいよいよ完了。消防などの各種点検も終え、操業希望通りのスケジュールで関物流センターが完成しました。主要道路からもパッと目を惹くブラック×ホワイトの外観が特徴的です。

 

 

───収納量を最大限に確保した設計

お客様のニーズは「物流効率の向上、在庫管理の最適化、エネルギー効率を向上させる」こと。今回の物流倉庫は3階建です。ラックの高さに合わせ、階高は7,885mm確保しました。今回はパレット3段積みができる電動式移動ラックを採用しています。空間を最大限に生かし、パレットの収納台数はなんと4,400台!40フィートコンテナを約200本収納できます。3階の柱を3列減らし、2階に比べ3階の収納量を約1.2倍に。強度を保つために他の柱と梁をワンサイズアップ。建築費用は若干上がりましたが、費用対効果のバランスを検討した結果、収納量を優先しました。

 

 

───省エネルギーへの配慮

倉庫内照明はすべて省エネタイプのLEDを採用。移動ラックの動きに合わせて点灯位置を変更し、移動ラックと連動できるように設定しています。断熱効果を高めるために、二重折板構造の屋根を採用しています。

 

 

───設備の自動化

階層間荷物の上げ下げのためにエレベーターの他にパレット専用垂直搬送機を採用しました。倉庫内物流の基本は“いかに速く正確に商品や部品を移動・搬送できるか”という点です。限られたスペースの中でそれを実現することが求められます。高層化を続ける物流倉庫において物流システムの能力がその成否のカギを握っています。エスカレーターとコンベアの長所を生かした垂直搬送システムは立体的な連続搬送ラインを構築でき、タテの物流を最速化します。

 

 

───自社製品を試せる執務空間

オフィス什器の開発・製造を行う藤沢工業。物流倉庫内には自社製品のテストや、最新作の試作ができる執務空間があるのも魅力です。

 

 

───毎日使うトイレだからこそデザイン性を

トイレは外観に合わせモノトーンでまとめ、どなたでも利用しやすいデザインを意識しました。今回の倉庫は山を切り崩した土地に建設された為、手洗い場のアクセントウォールには山型模様のヘリンボーン柄の壁紙を採用。 男子トイレはアクセントウォールの色をベースに壁面はグレー色の壁紙で仕上げ、床は黒いタイルでまとめました。一方、女子トイレは全体的に白でまとめ、明るさと清潔感を感じられるようにデザインしました。

 

───感動の竣工式

2023年12月8日、竣工式が開催され出席して参りました。3年を費やした当プロジェクト。計画当初の建設予定地は山の状態。それが計画と共に整地され、建物が建ったことに感動しました。工場、倉庫建設は社運を担う一大事業です。お客様にとってはここからがスタート。お客様のスタートを切るに立ち会えたことに改めて気持ちが引き締まりました。

 

 

───関係者を招いての見学会

竣工式の後は、藤澤社長自らが案内役となり物流倉庫の見学ツアーを行いました。関市長や議員、地元の区長など地域関係者の他、銀行、建設に携わった関連企業が参加しました。週明けからは早速荷物が運び込まれ操業を始める倉庫。貴重な空の状態を見学できました。